一般

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◆寂しがり屋のクーン。彼女が見つけたのはフェラチオの仕事

『スター・オブ・ラヴ』というバーがあった。バンコク・パッポンの中程に位置するあまり目立たない特殊なバーである。 このバーはゴーゴーバーではないので、半裸で踊り狂う女性はいない。待機する女性も五人前後である 。細長いカウンターと、擦り切れたような古いソファがあるだけで、耳をつんざくような音楽もない。しかも店は狭く、場末の雰囲気がぷんぷんと漂っている。 他のバーが派手で猥雑で混乱したエネルギーに満ちて […]

決闘場(スタディウム)。ハイセンスな売春パブと怒る女性

インドネシア首都ジャカルタは、高層ビルが林立する大都市にふさわしく眠ることはない。 マンガ・ブザール通りを西に歩いて大通りに出ると、そこはハヤム・ウルッ通りである。夜の11時頃、マンガ・ブザールからハヤム・ウルッ通りに出て南に向かって歩いていた。 昔はこの辺に売春女性が立ち並んで客を取っていたと聞いているが、今は彼女たちの姿は見かけることもなかった。 時期が悪かったのか、時間が悪かったのか、それと […]

◆サラの裸の身体に付いていた、異様で驚くべきものとは?

シンガポールに近いインドネシア領バタム島……。夜が更けてハイエナの時間がやって来ると、蒸し暑い夜の街に出向いて一軒の店に入った。”Queen Bee’s”(クイーン・ビーズ)である。 昼間、何気なく街を歩いているときに偶然見つけた店だった。日中でも目立つロゴが気を惹いた。普通のパブ・カラオケ屋はネオンのライトで夜に目立とうとする。しかし、そんな看板は昼間にはネオ […]

◆売春島。インドネシア領バタムにハイエナが来ない理由とは

シンガポールから船で30分から40分ほどの距離に、その「売春島」がある。中国語で書くと「巴淡島」。 日本語で巴は「は」、淡は「たん」と読むので無理すれば「はたん(HATAN」』とも読めないことはない。 実際にはバタム(BATAM)なので、なかなか近いと思う。 中国人が語呂合わせで作ったような、この「巴淡島」という漢字が好きだ。巴(ともえ)は波頭(なみがしら)をイメージ化したものを指している。淡(あ […]

ジャラン・ジャクサ 。ジャカルタの街に立つシティハリチャ

シンガポールからガルーダ航空の飛行機に乗ってジャカルタのスカルノ・ハッタ空港に着くと、まずはガンビル駅行きの「ダムリ」のバスに乗って市内に向かう。バスの中は冷房など気休め程度にしか効いていない。 すっかり古くなってしまった座り心地の悪いシートに座って窓際へ寄り、ぼんやりと夜のジャカルタの街を見つめた。 乱暴なバジャイ(三輪タクシー)が国道を縫って走っているのが見える。けたたましい爆音と排気ガスが熱 […]

◆暴動のあとの荒廃したジャカルタ・コタと、美しい娘レシー

ジャカルタの北部コタの街は真夜中になると怪しげな男たちが溢れ始める。 肩を怒らせて歩くギャング、野放図なチンピラ、ぼったくりタクシーの運転手、高級外車に乗ったマフィア、ドラッグに飲まれた中毒者、そして何者なのか分からないヒマを持て余しているような男たち。 ディスコの前には煙草売りの若者がたむろして、タクシーでやって来る男たちにまとわりついて何とか煙草を売りつけようとしたり、帰ろうとする客を強引に仲 […]

マイクズ・プレイス。緑の虹彩を持った女性とロシアの崩壊

久しぶりにバンコクに降り立ってソイ3を歩きロシア女性を捜した。しかし、半年前にはあれほどいたロシア女性たちが、煙のように消えてしまっていた。 ロシア女性はいつしかタイに現れ、バンコクのソイ3ストリートを歩き回っては男を誘っていた。それから半年もしないうちに、もう事態は変わっていた。 白人の売春女性の存在はタイでは目立ち過ぎていた。人身売買マフィアが巣食っていた悪名高きリージェント・ホテルは何度も家 […]

内斜視の娘と、あばた肌の娘。純真さは、どこから来るのか

カンボジア編カラカラに乾燥したカンボジアの大地を、ふらふらとさまよう。カンボジアに着いて2日目の昼下がりだった。熱射病で倒れそうになるくらいの強烈な太陽が降り注いでいた。 向かう先は決まっていた。紅土の粉塵が舞い上がる70ストリートである。 いつもはモニウォン通りを北上して芸術大学から入るのだが、この日は毛沢東通りにいた関係上、逆側から入ることになった。 道路のほとんどをアスファルトで固めてしまっ […]

切ないほほえみ。スワイパーの、哀しい眼をして男を見る娘

カンボジア編彼女と出会ったのはスワイパーと呼ばれる売春村だった。黒一色の服に身を包んだ彼女を一目で気に入った。 まだほんの小娘だというのに、彼女はひどく陰のある瞳をしていた。黒目がちの瞳がじっと相手を見つめる。そして、ほんのりとほほえむその姿は他の娘たちの力任せの誘惑とはひと味違った魅力があった。 しかし彼女はほほえんでいたが、何か哀しみを抑えているように思えた。実際、彼女は哀しいことがあるようで […]

ホームシック。狭い部屋の中で母親に手紙を書くベトナム娘

カンボジア編カンボジアの首都プノンペンにはあちこちに置屋が点在している。 隆盛を誇った70ストリートが徐々に縮小するのと対照的に、市内の置屋は数も勢力も増しているようだ。勢い、夜になったら男たちは市内の置屋をふらふらと夢遊病者のように巡ることになる。 プノンペンの夜は人の姿が極端に減る。治安は悪く、銃を持った強盗が横行するので、人々は巻き添えを恐れて家から出てこない。 隣国タイでは夜中になっても子 […]

カンボジアの置屋。「置屋」とは一体どういう場所なのか?

カンボジア編昔、日本では売春宿の建物を「置屋(おきや)」と呼んでいた。現在では、もう置屋という言葉をあまり聞かなくなってしまったが、それは置屋の存在そのものが目につかなくなってしまったからである。 しかし、まだ経済が発展途上にある国では置屋が健在だ。タイでは地方に行けばソンと呼ばれる置屋が必ずある。 フィリピンでもカーサと呼ばれる置屋が溢れているし、インドネシアもインドも置屋があちこちに点在してい […]

◆冷気茶室。男の天国、女の地獄と呼ばれた、バンコクの魔窟

タイの首都バンコクにあるヤワラー(Yaowarat)はチャイナタウンである。このエリアは「魔窟《まくつ》」と呼ばれるに相応しい場所だ。 迷路のように入り組んだ道にひしめく細々とした店、古ぼけて骨董品のようになった建物。金行・食堂・ペット屋・雑貨屋・米屋・葬儀屋が乱雑に、脈絡無く店を開いており、それぞれが強烈なニオイを発している場所……。 ここには「旅社」と呼ばれる安宿も多く、昔は場末の売春宿も林立 […]

70ストリート。プノンペンでもっとも荒廃していた売春地帯

カンボジア編カンボジアの首都プノンペンの地図を見ると、この都市が区画整理によって計画的に作られたことがよく分かる。 道はだいたいが碁盤目のようになっている。また、主要な道路は人名か番号表示になっているので分かりやすい。このプノンペン北に「売春ストリート」と呼ばれる通りが存在した。それが、70ストリートである。 1990年代後半、ここは東南アジアの売春地帯でもっとも凄まじい場所だった。一本のでこぼこ […]

オーチャード・タワーのオウン。彼女の持つ「甘い蜜」とは

夜の零時過ぎ、シンガポールのオーチャード・タワー4階にあるディスコ「クレイジー・ホース」に行く。 すでに顔馴染みになった女たちが入口であきれたような顔で笑いかけてきた。二日も三日もこんなところに通う客も珍しいに違いない。どうかしてる、と彼女たちの顔には書いてあった。 彼女たちはビジネスで建物の内外に立っているが、男は連日連夜遊び回っていることになる。たしかに「どうかしてる」と思われてもしかたがない […]

◆セックス・マシーン。バンドン生まれのセックス・マシーン

彼女の名前はヘリナと言った。インドネシア・ジャワ人である。まるで優雅な黒豹のようだった。 軽く波打ったショートカット・ヘアはその野性的な表情によく似合っていた。無駄な贅肉など一切ついていないスリムな身体にぴっちりと張りついた黒の衣服は彼女の美しさを際立たせていた。 インドネシア・ビンタン島の、カラオケ屋を模した売春宿「サンライズ」にぶらりと入って、青やピンクに灯された蛍光灯の下に15人ほどの女性た […]

サイバーン。あなたが好き。だからこの写真をあなたに……

カンボジア編シアヌークヴィルのプントッマイで、ひとりの陽気な娘と会った。 若々しく弾けるような肌に、顔中が口になってしまいそうな大きなビッグ・スマイル、そして猫の目の色のようにころころと変わる表情としぐさが忘れられない。彼女の名はサイバーンと言った。 夜中10時過ぎ、ピンクの街灯が灯った売春ストリートを、いつものように、ふらふらと歩いていた。置屋の前を歩くたびに女性たちが喚声を上げて声をかけてくる […]

バイバイ・トゥ。置き去りにしてきた彼女を思って慟哭する

カンボジア編カンボジアには雨期と乾期がある。二月は乾期だ。ちょうど涼季から暑季に切り替わり、身が焦がれるような灼熱の太陽が大地を照らす。 カンボジアの大地を覆っている紅土は、猛スピードを上げて突っ走る車やモトバイクに煽られて舞い散り、白い服はすぐに茶色く染まってしまう。 道路わきに生える草木は茶色の粉塵が積もって、その重みで葉は垂れ下がっている。ほとんどの葉が紅土の茶に塗りつぶされているので、一見 […]

◆売春村のアニー。熱帯の匂いを濃密に漂わせた、売春村の夜

インドネシア・ジャカルタから遠く離れた離島に降り立った。そして、真夜中になると島の中心部にモトバイクを飛ばしてもらった。一本のどこまでも続く舗装道路をバイクは順調に走る。他に走っているバイクなど一台もない。 「真夜中は危険だ」とバイクの運転手は顔をしかめるのだが、真夜中にさまようハイエナはこの時間が本番だ。危険だと言われても困ってしまう。危険を承知で夜の街に出かけ、強盗に襲われたら、それまでと観念 […]

ゲイラン・ストリート。シンガポール政府が用意した罪の街

アジアの貿易国家シンガポールは、リー・クワンユー元首相が作り出した熱帯の実験国家だ。 この卓越した政治家は、マレーシアから独立した後、多様な国民をまとめるために、あるいは国民の大多数を占める中国人の中華色を薄めるために英語を公用語として採用した。 ハイテク化を進め、クリーン&グリーン政策で、おおよそ熱帯の国とは思えないほど清潔な環境を作り上げた。 しかし、逆にそれが国民の極端な監視を生み出した。 […]

クレイジー・ホース。オーチャード・タワーの女たちと英語

ゲイラン・ストリートがシンガポールにおける置屋街の代表だとしたら、オーチャード・タワーは売春ディスコ群の代表になる。そして中でもクレイジー・ホースは現在のオーチャード・タワーのディスコの中ではダントツの人気を得ている。 真夜中にオーチャード・タワーへ出入りする女性たちは99パーセント売春女性たちだ。当然、クレイジー・ホースに出入りする女性もまたそうだ。 店内には英語が飛び交い、彼女たちは英語の渦の […]

リシータ。ゲイランに立っていた魅惑的なスリランカの女性

ゲイラン・ストリートのLor20を入ると、すぐに右側に折れる小路がある。食堂「三友斉」の裏に当たり、夜中に行くと外灯のない小路は闇に吸い込まれるように暗い。 小路に入る入口も奥もインド系の男たちで溢れ、人種の違うアジア系が入って行くと全員がよそ者を見るような目つきでこちらを注視する。 アジア系が主のゲイランでもこの小路だけはインド系が多数を占めており、それ以外の人間が「よそ者」になるのだ。 構わず […]

◆パッポンのマイ。なぜ自分はここまで堕ちたのかと、涙した

二十歳《はたち》の頃、何気なくタイへ旅行に行った。はじめての海外旅行でひとり旅だった。見るもの聞くものが何もかも珍しく、旅に有頂天になった。 南国の太陽や文化や食事は慣れれば慣れるほど心地良いものとなってきた。最初は健全な旅行をしていたが、ある日バンコクのパッポンに足を踏み入れた。パッポンはアジアでもっとも有名な歓楽街である。 タイに行ったのなら、ここを訪れないと片手落ちだと思ったのだ。ただ半裸で […]

アフガンの15歳の花嫁。売春を強制されるが拒否して拷問に

アフガニスタンで、またもや女性に対する暴力事件が注目を浴びている。 7ヶ月前に結婚した15歳の彼女はすぐに夫から売春して働くことを強要されてそれを拒否、それからトイレに監禁され、5ヶ月もの間、夫の家族から拷問を受け続けてきたのだという。 殴られ、蹴られ、生きるためのほんのわずかな水しか与えられず、タバコの火で焼かれ、爪をはがされ、髪をむしり取られ、ペンチで彼女の肉を引きちぎっていた。 コンテンツの […]

◆饒舌でドラマチックなノイ。彼女は涙を流してそれを話した

ノイという女性がバンコクのオープンバーがいた。 スクンビットのナナ駅からアソークに歩いていく途中のオープンバーにいた小柄な女性だった。彼女は今まで知り合ったタイ女性の中で、もっとも英語が流暢だと言っても過言ではないほど素晴らしい英語を話した。 フィリピン女性ならこれくらいの英語を話してもおかしくないが、彼女は正真正銘のタイ女性だ。しかも、その英語は独学で勉強した英語だと言った。 タイ訛りは感じさせ […]

◆キル・ベイビー 。彼女は妊娠と性病とエイズの恐怖に泣いた

悲劇は突然やってくる。前触れなどまったくない。この日もそうだった。 まだ堕落の街が堕落を剥き出しにしていた一九九九年頃、健在だったライブ・バーに寄ってみようと考えた。かつてはライブ・バーも、その頃は行かなくなっていた。しかしどういうわけか、その日は無性に寄ってみたくなった。 パッポンのハードコアと言えば、二階のライブ・バーになる。一階のゴーゴーバーが決してバタフライ(ビキニの下)を脱ぐことはない。 […]

マイはベトナムに帰った。バスルームで頭を振っていたマイ

ベトナム語で「マイ」は「梅」という意味になる。ベトナム人の女の子でマイという名前をつけられる娘は多いようで、ベトナム社会に関われば、あちこちで「マイ」と知り合うはずだ。 印象深かったマイは2000年当時スワイパーの15番館に在籍していた娘だ。彼女の優しさが好きだった。 マイと知り合ったのがいつだったのか、あまり覚えていない。最初はスワイパーの多くの女性に混じっていて目にとまらなかったからだ。 いつ […]

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